ウイルス感染症
小児によくみられる発熱や感冒症状などの全身症状とともに、全身性の皮疹も伴うウイルス感染症の一群です。
代表的なウイルス感染症
◆乳幼児期
- 突発性発疹
◆小児期全般
- 麻疹
(はしか) - 風疹
(三日ばしか) - 水痘
(水ぼうそう) - 手足口病
◆年長児~学童期
- 伝染性紅斑
(りんご病)
◆小児特有のもの
- Gianotti病
- Gianotti-Crosti症候群
- これらの疾患の原因ウイルスは、有名な名前の付いたウイルスによるものが多いですが、原因ウイルスが複数存在するものもあり、1対1に対応していないものもあります。
また、非定型な症状の場合は原因ウイルスがはっきりしない場合もあります。
これらの疾患は「学校感染症」に指定されているものも多く、学校保健安全法により出席停止期間が定められているものもあります。 - 全身症状が強い場合は小児科を受診される場合が多いのですが、全身症状が乏しく皮膚症状が優先する場合や、皮膚症状が先行する場合もあり、皮膚科を受診されるケースもあります。
よって、皮膚科医も臨床症状からこれらの疾患を診断できる能力が必要となってきます。 - これらの疾患は、特徴的な臨床症状や経過をとるものが多いので、診断できることがほとんどですが、近年はワクチンを接種してから罹患するケース(sedondary vaccine failure)もあり、非典型な症状をとることもあります。
この場合、他の皮膚疾患との鑑別が難しいこともあります。
当院での治療
原因ウイルスに対する治療薬が存在するのは、「水痘」のみであり、抗ウイルス剤の内服を行います。
他のウイルス感染症に対しては特別な治療は必要ありません。
皮膚症状に対しても特別な治療は必要ありません。
全身症状に対しては対症療法を行うしかありませんので、症状が強い場合は小児科受診を勧めています。