にきびについて
にきび瘢痕を残さないためにも、にきびは早期からの治療が重要です。
患者さまに合わせた治療法のご提案
基本的に、日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡治療ガイドライン」に即して治療を行います。
しかし、ガイドラインはあくまで治療の参考にするもので、一律に全ての患者さまに当てはめられるものではありません。
当院では、患者さまごとににきびの症状や、塗り薬の効果・反応を見ながら細やかに治療法を決めるオーダーメイドの治療を行っています。
- スキンケア指導
- 薬の処方だけではなく、にきび肌にあった基礎化粧品のご案内も可能です。
女性医師ならではの目線でスキンケア指導をしますので、安心してご相談ください。 - 漢方薬の処方
- 漢方薬により、赤にきびの炎症を抑えたり、体質改善によりにきびのできにくい肌質に整えます。
にきびの状態や体質を見ながら、患者さまごとにあった処方を行います。 - 幅広い選択肢
- 過酸化ベンゾイル(BPO)外用薬の登場で、保険診療におけるにきび治療の選択肢が広がりました。
しかし、通常の保険診療での治療を行っても治りにくい重症にきびの方や、保険処方の外用薬にアレルギーがあり使用できない方もいらっしゃいます。
そのような場合、自費診療での治療法をご提案することがあります。
ニキビの原因
にきびの発症には、以下の4つが関与します。
男女ともに男性ホルモンが深く影響しており、思春期に性ホルモンの分泌が活発になると、皮脂の分泌が盛んになります。思春期以降のにきびは、女性ホルモンと男性ホルモンのバランスの崩れが一因といわれています。
また、毛包周辺の角質が厚くなり毛穴が狭くなることで、毛包内に皮脂が溜まって面ぽうができます。この面ぽうの中で、皮脂を好むにきび菌が増加し、赤いにきびや化膿した黄色いにきびへと悪化していきます。
ニキビの発生機序
- STEP 1
- 「微小面ぽう」とは、毛穴に皮脂がたまり始めた初期段階です。
まだ目には見えませんが、にきびはこの状態から始まっています。
- STEP 2
- さらに毛穴に皮脂が溜まることで毛穴が盛り上がり、目に見える状態になったのが「面ぽう」です。
もともと毛穴に存在するアクネ菌は、皮脂を好み、酸素の少ない環境で増殖しやすいため、閉鎖的な面ぽうの中で増殖します。
- STEP 3
- 炎症が進んで周囲にまで広がると、膿を伴うようになります。
さらに炎症が進むと、毛穴の壁が壊され、内容物が真皮に漏れ、膿の袋である「膿腫」ができたり、硬く盛り上がる「硬結」ができます。
- STEP 4
- 毛穴の中で過剰に増殖したアクネ菌は、炎症を起こす物質を作ります。
炎症が起こると、皮膚は赤く盛り上がって「赤にきび」になります。
- STEP 5
- 毛穴に炎症を生じて膿腫ができた結果として、毛包壁が壊されて真皮組織自体に欠損(陥凹性瘢痕:クレーター)を生じます。
一方で、線維芽細胞が過剰に増えて、盛り上がった傷痕を生じることもあります(肥厚性瘢痕)。
治療方法
皮脂の分泌亢進に対する治療
皮脂の過剰な分泌は、主に男性ホルモンの影響です。
思春期に男性ホルモンの分泌が増えにきびが発症します。
成人女性で、口周りやあご、フェイスラインににきびが生じるのも、男性ホルモンの影響を受けているからです。
ビタミン剤内服
面ぽうに対する治療
面ぽうは、毛穴の入り口(毛包漏斗部)での、皮膚細胞の分化・角化が亢進することで毛穴が詰まり生じます。
この毛穴の詰まりを取り除くことが必要となります。
2008年10月に認可されたにきび治療薬です。思春期のにきびに対して効果が期待できます。
※妊娠中の方、授乳中の方は使用できません。
にきびの原因菌の増殖を抑制し、角質細胞の結合をゆるめることで毛穴の閉塞を改善します。
アダパレンと過酸化ベンゾイルの配合剤で、面ぽう形成を強力に抑制します。また活性酸素産生により、アクネ菌増殖の抑制をします。
炎症を起こした「赤にきび」「黄色にきび」に対する治療
毛穴の中で過剰に増殖したアクネ菌は、炎症を起こす物質を作り炎症が進行していきます。
炎症性のにきびに対しては、にきび菌に対する抗菌薬や過酸化ベンゾイルが有効です。
(ゼビアックスローション、アクアチム)
(デュアック配合ゲル、べピオゲル、エピデュオ)
(ミノマイシン、ファロム)
漢方治療
にきび治療用の問診票も必要となります
にきび治療が初診の方は専用の問診票も必要となります。
下記からダウンロード、プリントアウトいただき、記載後、ご持参いただきますと当日の診察等がスムーズです。