掌蹠膿疱症
膿が溜まった発疹が、手のひらや足の裏に数多く出来る疾患です。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、膿が溜まった膿疱と呼ばれる発疹が、手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多く出来る疾患です。爪の変形や混濁が生じる場合もあります。
- 膿疱は、炎症反応に関係する「好中球(こうちゅうきゅう:白血球の一種)」が皮膚の一番上層にある角層に溜まった状態です。
- 慢性的に経過し、周期的に症状がぶり返します。
発疹は、最初は小さな水疱で、徐々に化膿していき、次第に黄色に変化します。
その後かさぶたになり、角層が剥げ落ちます。しかしこれで治るわけではなく、すぐに再発し、慢性化をたどると、皮膚が赤黒くなり、角質も増殖して激しい痒みや、時には痛みをともなうこともあります。 - また、慢性的に経過する中で、突然、鎖骨や胸の中央の胸鎖肋関節などの関節が痛くなることがあり、掌蹠膿疱症性骨関節炎と呼ばれます。この痛みは非常に強く、日常生活が困難になるほどのこともあります。
- さらに放置すると、関節の変形などにもつながります。そのため、適切な治療が必要になってきます。
- 掌蹠膿疱症は、発疹の中の液体からはウイルスや細菌は見つからず、自己免疫(自分自身の組織に対して免疫が攻撃的に作用すること)が関係する疾患ではないかと推測されています。そのため他人にうつることはありません。
原因
掌蹠膿疱症の原因は残念ながらわかっていません。
しかし、慢性扁桃炎やひどい虫歯、歯槽膿漏、中耳炎、副鼻腔炎、胆嚢炎など体内に膿がたまるような病気(感染巣)があると増悪因子になることが知られています。自覚症状を欠くこともあり、皮膚科の紹介で各科を受診してはじめて感染巣が見つかることもあります。
また患者さんの多くは喫煙者であることも特徴で、禁煙で症状が改善することもあります。
他に歯科金属などによる金属アレルギーが関与するという説もあります。
治療法
掌蹠膿疱症の治療は外用治療が第一選択です。ステロイド軟膏の外用とビタミンD3の外用などです。
他には紫外線治療があります。難治性で治療が長期にわたる場合は、金属アレルギーの関与も疑い、歯科金属の除去や慢性扁桃炎のある方は扁桃摘出手術も検討します。
当院では、部分照射型のエキシマライト(308nm)エキシプレックス308での紫外線治療が受けられます。
!日常生活の注意点
- 浮いた皮は取らないようにしましょう。
- たばこを控えましょう。
- 風邪をひかないように体調に気をつけましょう。