アトピー性皮膚炎の『イブグリース』
アトピー性皮膚炎の治療薬『イブグリース』が2024年1月に製造販売承認され、2024年5月31日(金)から投与が可能となりました。
イブグリースによる治療をご検討されたい方は当院へご相談ください。
イブグリースの特性
アトピー性皮膚炎の治療薬『イブグリース皮下注 250mg(一般名:レブリキズマブ[遺伝子組換え])』は、インターロイキン(IL)-13に結合するIgG4モノクローナル抗体で、その作用機序は、IL-13に結合することにより、IL-13受容体複合体(IL-4Rα/IL-13Rα1)の形成を阻害し、IL-13シグナル伝達を特異的に阻害することです。
一方、IL-13受容体α2サブユニット(IL-13Rα2)に対するIL-13の結合を阻害しないとされています。
イブグリースでの治療が受けられる条件
- 従来の治療(※)では十分な効果が得られない成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児アトピー性皮膚炎。
※ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤などの抗炎症外用剤による治療
イブグリースの投与スケジュール
- 初回及び2週後:1回500mgの皮下投与。
- 4週以降:1回250mgを2週間隔(Q2W)での皮下投与。
- 患者様の状態に応じて、4週以降は1回250mgを4週間隔(Q4W)での皮下投与が可能。
- 状態に応じて、4週間隔(Q4W)での投与が可能と言うことで、治療負担の軽減など、患者様にとってメリットであると考えています。
※左右にスクロールさせてご覧ください。
アトピー性皮膚炎治療薬『アドトラーザ』との違いについて
すでに発売されているアドトラーザ(一般名:トラロキヌマブ)は、同じIl-13 抗体です。
アドトラーザはIL-13がIL-13受容体複合体(IL-4Rα/IL-13Rα1)とIL-13Rα2両方にくっつくのをブロックします。
IL-13Rα2は、デコイ受容体とも呼ばれ、その役割が完全に解明されていないため、具体的な影響はまだわかっていません。
イブグリースの治療費
- イブグリースは保険適応しています。
- 別途、初診料、再診料、処方箋料など必要となります。
- 保険3割負担の方で『薬剤費』は1本あたり約18,456円です。
年齢・年収・加入している健康保険組合により異なりますが、高額療養費制度の対象となり、自己負担額の上限以上は補助を受けることができる場合があります。 - 一部の企業にお勤めの方では、企業の健康保険組合による付加給付制度により、一定額以上は補助を受けることができる場合もあります。
イブグリースの薬剤費
価格 | |
---|---|
250mg(1本あたり) | 50,782円 |
自己負担額(窓口で支払う金額)
・3回目以降は症状に合わせて2週間間隔で1本、または4週間間隔で1本の投与になります。
負担率 | 初回(2本) | 2回目以降(2本) | 3回目以降(1本) |
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10割 | 101,564円 | 101,564円 | 50,782円 |
3割 | 30,469円 | 30,469円 | 15,235円 |
2割 | 20,312円 | 20,312円 | 10,156円 |
1割 | 10,156円 | 10,156円 | 5,078円 |
- ※2024年11月現在のイブグリースの薬価をもとに計算しています。
- ※3割:6歳~69歳、70歳以上で現役並み所得者
- ※2割:70歳~74歳で一般・低所得者
- ※1割:75歳以上で一般・低所得者