ウイルスは生涯体の中に感染し続けます
感染しても普段は神経内に潜伏し症状を起こしませんが、
疲労やストレス、紫外線などで体の免疫力が落ちた際、皮膚や粘膜に水ぶくれやピリピリとした痛みが出現します。
ヘルペスを発症した場合は抗ウイルス薬で治療しますが、ウイルスは生涯体の中に感染し続け完全な治癒は難しいです。
『口唇ヘルペス』と『陰部ヘルペス』について解説します。
『口唇ヘルペス』について
口唇ヘルペスの原因
HSV-1(ヘルペスシンプレックスウイルスタイプ 1)が口や口唇の粘膜に感染することで発症します。
肌が直接触れる以外にウイルスのついたタオルなどを介して感染することもあるため家族内での感染も多いです。
紫外線、ストレス、寝不足、疲れ、感染症などにより免疫力が低下することで潜伏していたウイルスが再活性化して症状を引き起こします。
口唇ヘルペスの症状
ほとんどの方が無症状で感染していることに気づきません。
免疫力の低下に伴い口腔内や口の周りに水膨れやただれが現れ、ちくちく、ピリピリした感じの痛みや違和感が発生します。
口唇ヘルペスの検査・診断
問診を行い、特徴的な症状や皮膚病変を視診することで診断します。
口唇炎と間違われやすいため、診断が難しい場合は、ヘルペス特有の細胞変化を顕微鏡で確認し診断するケースもあります。
口唇ヘルペスの治療
抗ウイルス薬であるファムシクロビル、バラシクロビルなどの飲み薬を使用します。ウイルスの増殖を抑える薬のため、可能な限り早く服用することで症状が軽くすみます。
かさぶたになってしまった状態には効果は殆ど期待できません。
塗り薬も存在しますが、飲み薬の方が効果を実感できます。
『陰部ヘルペス』について
陰部ヘルペスの原因
ヘルペスウイルスが陰部の粘膜に感染し発症します。感染機会後、2日~10日で発症します。
陰部ヘルペスの症状
殆どの方が無症状もしくは症状が軽いため気付かないこともあります。
発症後、陰部やその周辺に違和感や痛みが伴い、ただれ、水膨れ、赤い発疹ができます。
最初の感染では発熱など、強く症状もでますが、再発時は軽症の場合が多いです。
重症になりやすいのは女性が多く、入院が必要なケースもあります。
陰部ヘルペスの診断・検査
問診、視診、触診で診断します。
亀頭包皮炎や梅毒と見分がつきにくいことがあり、症状の経過なども含めて総合的に診断します。
陰部ヘルペスの治療
抗ウイルス薬であるファムシクロビル、バラシクロビルなどの飲み薬を服用します。
年6回以上再発を繰り返す場合は、抗ウイルス薬を毎日1錠飲み続けて再発を抑制することがあります。
症状がない時もしっかり飲み続けることが重要です。